2026.04.24

ルージュボヤージュ

4月18日の午後1時前、快晴の中山競馬場に姿を現したのがルージュボヤージュだ。
美浦・木村哲也調教師が管理する鹿毛の牝馬で、この日は3歳1勝クラス、芝1800メートルの牝馬限定戦に出走。手綱を取るのは今回が初騎乗となる戸崎圭太騎手だった。
レース前、戸崎騎手は「バランスなど、まだ成長する余地があるかな……」と感じていたという。その一方で、「勝った時のように、のびのび走らせてあげられれば充分、勝ち負けできる能力はあると感じました」と高く評価していた。
ルージュボヤージュは昨年7月13日、福島競馬場の芝1800メートルでデビューした。荻野極騎手を背に先行すると、2着に4馬身差をつけて圧勝した。第三者の目にも“将来有望”と思わせる走りだったが、そのレースをあらためて見直した戸崎騎手も、先述の言葉どおり好印象を抱いていた。
ゲートが開くと、自然と先手を奪った。
「逃げようと決めていたわけではありません。ただ、のびのび走らせるイメージでいたところ、好スタートを切れたし、頭数も少なかった(6頭)ので、無理に抑える必要はないと判断しました」
そのままハナを切った。序盤の800メートル通過は51秒0、1000メートル通過は63秒7。まんまとマイペースに持ち込んだ。戸崎騎手は当時の手応えをこう振り返る。
「すごく乗りやすくて、コントロールも利いたので『よしよし』という感じで乗っていました」
仕掛けどころについては、次のように語った。
「遅いペースに持ち込めたし、良い脚を長く使えるタイプだと思ったので、早めに動かしていきました」
しかし、ターンザテーブルス1頭だけが食い下がった。最後の直線では、2頭の激しい競り合いが続いた。再び戸崎騎手が述懐する。
「一度は完全に出られました。差し返してくれましたが、ゴールの瞬間は正直、勝ったかどうか分かりませんでした」
ゴールした直後、相手の津村明秀騎手に聞くと、彼も「分かりません」と答えたという。
「脱鞍所に上がってきた時には、判定結果が出ていました」
ハナ差で、ルージュボヤージュが勝っていた。
「ホッとしました。同時に、やっぱり走る馬だと思いました」
そう語る戸崎騎手は、「今後が楽しみになる馬です」と笑顔を見せた。
(撮影・文=平松さとし)