2026.06.12

ルージュロマーナ

「調教の動きは抜群です」
 今年新規開業した手塚貴徳調教師がそう語るのは、ルージュスエルテについてだ。解散した国枝栄厩舎から転厩してきた5歳牝馬である。
 2歳時に連勝を飾り、3歳初戦のクイーンC(GⅢ)でも3着に好走。GⅠ戦線でも活躍が期待されたが、その後は惜しくも勝利から遠ざかっている。
 「競馬場へ行くと多少テンションは上がりますが、馬房の中では本当に大人しいです。調教でも、決して背中が特別良いというタイプではないのですが、とにかく動きます。もっと走れていい馬だと思うので、巻き返せるようにいろいろ考えながらやっていきたいです」
 同厩舎では、2歳馬ルージュロマーナもデビューに向けて待機している。
 「一度入厩しましたが、ゲート試験も一発で合格しました。現在(6月10日)は美浦近郊の牧場『ニューエラ』に放牧しています。牧場での評価も高いので、6月半ばにはトレセンへ戻す予定です」
 最初に見た時の印象について尋ねると、若き調教師はこう振り返った。
 「話をいただいた後、すぐに見に行きました。強膜(白目の部分)が広いせいか、少しソワソワした目つきに見えました。でも、体高があって馬体はしっかりしていました」
 当初気になった“ソワソワした感じ”は、環境に慣れるにつれて見られなくなったそうだ。
 「きちんと駐立もできていました。トレセンへ移動して環境が変わった時はどうかなと思いましたが、そのあたりもすぐに対応してくれて、まったく心配ありませんでした」
 先述のとおりゲート試験も一発で合格。騎乗した関係者からの評価も上々だったという。
 「丸山元気騎手にも一度乗ってもらいましたが、彼を含めて乗った人全員が『良いものがありそう』と好感触を口にしてくれました。ただ、正直なところ体力はまだ付けてほしいですね。もう少し乗り込めば、さらに良くなってくると思います」
 具体的なデビュー時期については、次のように見通しを語った。
 「半兄のレッドスティンガーが札幌でデビューして良い競馬をしてくれたので、札幌開催の開幕週か、その一週前の函館開催最終週あたりを考えています。父はウィルテイクチャージ(2013年GⅠ・ブリーダーズCクラシック2着など)なので、血統的にはダート向きに映りますが、兄姉たちも走っていますし、この馬自身もきれいな馬体で走りが軽い。まずは芝から使おうと考えています」
 なお、馬体重は6月初旬の時点で470キロ前後。
 「デビューする頃には、もう少し絞れて440~450キロくらいになるのではないでしょうか」
 そう話す手塚貴徳調教師。レッドレナートで厩舎初勝利を挙げた新人トレーナーは、最後にこう意気込みを語った。
 「現在、東京サラブレッドクラブさんの馬を4頭預けていただいています。うちのメインオーナーですので、その期待に応えられるよう頑張ります」
(撮影・文=平松さとし)