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2025.05.28

スポニチアネックス

【日本ダービー】北村友 クロワデュノール伝説ここから!走りのバランスや雰囲気「全てが良くなった」

 競馬の祭典「第92回日本ダービー」まであと4日に迫った。クロワデュノールとデビューからコンビを組む北村友一(38)が大一番で反撃に燃える。昨年のホープフルSでG1初勝利を飾った2歳王者は皐月賞で単勝1・5倍と断然人気を背負って2着に敗れた。騎手生命を脅かすほどの落馬事故からカムバック、昨年出合ったパートナーとともに自身初のダービー制覇に挑む。

北村友一騎手を背に馬場入りするクロワデュノール

 騎手人生20年目で最高のパートナーとダービーに挑む。クロワデュノール騎乗の北村友は09年シェーンヴァルト6着、20年マンオブスピリット16着に続く3度目の参戦。「自分の中でダービーに対して特別な意識はありません。ただ、馬にとってクラシックは一生に一度。そういった意味では特別なものだと思います」と意気込む。

 21年5月2日の阪神2Rで落馬。椎体(背骨)骨折、右肩甲骨骨折の大ケガを負った。「筋肉は全て落ち、体重は46キロぐらいまで減りました」。ベッドから自分で起き上がれるまで約2カ月。ジョギングができるまで約8カ月。「(復帰の)原動力はやっぱり馬が好きだし、また馬に乗りたい。その気持ちだけを持ってリハビリに励んだ。今、思えばケガがあったからこそ人間的にも強くなって、感謝の気持ちが持てるようになった。決してマイナスなことだけではなかったと思います」。どんなにつらくても、決して心は折れなかった。

 22年6月11日の復帰から2年半。クロワデュノールと挑んだ昨年暮れのホープフルSで20年有馬記念(クロノジェネシス)以来、4年ぶりのG1制覇を飾った。レース後のインタビューでは大号泣。「自分はあまり感情が入る男ではない。まさか泣くとは…。たくさんの方々に支えられ、G1舞台のウイナーズサークルに帰ってこられた。その思いが全て涙に表れました」と振り返った。

 3戦3勝の無敗で挑んだ前走の皐月賞は1番人気に支持され、好位から攻めの騎乗で2着。「もちろん勝ちたかったのが一番にありますけど、レース自体が難しかった。その中で自分から動いていって本当に力を見せてくれました」。レース後は後悔より次のダービーに向け、すぐに気持ちを切り替えた。

 クロワデュノールと同じ斉藤崇史師の管理馬クロノジェネシスとのコンビでG13勝。「先生の馬を見る目、しっかり仕上げる仕事ぶりは尊敬、信頼しています。一緒に挑めることをありがたく感じています」と笑みがこぼれる。今回もチーム一丸となって馬づくり。「走りのバランスや雰囲気は今回の方が明らかに良く感じている。皐月賞から全てが良くなった」と上昇ぶりを伝える。

 東京はデビュー2連勝を飾ったコース。「(芝2400メートルの)距離は特に心配していない。中山より東京の方が競馬がしやすいイメージは持っています」と締めくくった。王者返り咲きへ、準備は整っている。 

 ◇北村 友一(きたむら・ゆういち)1986年(昭61)10月3日生まれ、滋賀県出身の38歳。06年騎手デビュー。08年デイリー杯2歳S(シェーンヴァルト)で重賞初制覇、19年大阪杯(アルアイン)でG1初制覇。クロノジェネシスとのコンビで19年秋華賞、20年の宝塚記念、有馬記念を制した。JRA通算1万940戦946勝(うち重賞35勝、G1・6勝)。1メートル64.5、51キロ。

 《皐月賞“単勝オッズ1倍台”7頭出走中6頭V》牡馬クラシック初戦の皐月賞で“単勝オッズ1倍台”に支持された馬はグレード制導入の84年以降、昨年までに8頭しかいない。そのうち7頭がダービーに出走し、6頭が世代の頂点に輝いた。98年スペシャルウィーク、09年ロジユニヴァースはそれぞれ皐月賞で3着、14着に敗れたがダービーで巻き返してV。皐月賞で単勝オッズ1.5倍に支持されたクロワデュノールも期待できる。