2025.06.11
スポニチアネックス
【大井競馬11R・東京ダービー】ナチュラルライズ 初の3歳ダート2冠達成 横山武「馬が強いのひと言」
創設2年目、3歳ダート3冠第2戦のJpn1「第71回東京ダービー」が11日、大井競馬場で行われた。圧倒的な1番人気に支持されたナチュラルライズが羽田盃に続く勝利で史上初の2冠を達成。1着賞金1億円を獲得した。同馬は3冠最終戦のジャパンダートクラシック(10月8日、大井)に直行する見込み。2着に2番人気のクレーキング、3着は地元・大井の6番人気シーソーゲームが入った。

あれで持つのか。ナチュラルライズに2冠目も許したライバルの関係者たちが検量室前で首をひねる。圧倒的な馬力の違いを見せつける逃げ切り勝ち。主戦の横山武は改めて相棒の力に感服した。
「本当に馬が強いのひと言。言うことないです。うまく乗れたかは分からないですが、馬がよく頑張ってくれました」
スタート直後からスイッチが入った。頭を上げながら先頭に立ち、後続たちとの差を広げていく。単勝オッズは1.5倍。大井のファンから不安の色が交じったどよめきが起こる。鞍上は馬の気持ちを害さず、それでいてガス欠を起こさせないバランスを探った。何とか息を入れながら迎えた直線。今度はラチに接触しそうなほど、内に刺さっていく。ここまでのロスはあまりに大きい。しかし、脚色だけは最後まで鈍らない。うまく立ち回ったクレーキングが迫るも、なかなか差が縮まらない。2馬身半のリードのまま、力ずくで先頭を守り抜いた。
伊藤圭師は「パシュファイヤーの効果があって返し馬までは凄く落ち着いていた。だけど、大井2000メートルは1角までの距離が長いので、馬も走りたくて仕方がないという感じになってしまった」と説明。粗削りな勝ちっぷりだけに、際立つポテンシャルの高さ。師は「パドックの歩きだけでも、可動域が広くて能力の高さが分かる。(今日の形だと)普通は伸びないですからね」と称賛の言葉を惜しまなかった。
夏は故郷・北海道のグランド牧場で休養。秋は今回と同舞台の3冠目ジャパンダートクラシック(10月8日、大井)を目指す。師は「4カ月ぶりを勝った(昨年カトレアS)こともあるし、前哨戦は使わない方がいいと思う」と説明した。史上初めて誕生したダート2冠馬は、まだ伸びしろしかない。
ナチュラルライズ 父キズナ 母レディマドンナ(母の父ディストーティドヒューマー) 牡3歳 美浦・伊藤圭三厩舎 馬主・吉岡寛行氏 生産者・北海道新ひだか町のグランド牧場 戦績6戦5勝(南関東4戦3勝) 総獲得賞金2億774万3000円。