2025.06.12

スポニチアネックス

【函館SS】ナムラクレア 馬なりで自己ベスト更新 長谷川師「体調面を含めて順調」

 函館開幕を飾るサマースプリントシリーズ初戦「函館スプリントS」の最終追い切りが函館競馬場で行われた。重賞5勝の実力馬ナムラクレア(牝6=長谷川)は現地芝コースで5F追い。華麗なフットワークで好調ぶりをアピールした。 今年も北の大地に戻ってきた。ナムラクレアは向正面から徐々にピッチを上げると、ラストは馬なりのまま末脚を伸ばしてゴール。5F64秒4~12秒0をマークした。自身が一昨年に記録した自己ベストを1秒4更新。自ら稽古をつけた長谷川師は「予定通り。向こう(栗東)でしっかりやって運んで、体調面を含めて順調に来ている。前進気勢に富んでいて、体も柔らかい」と好感触を口にする。

函館芝コースを単走で追い切ったナムラクレア(撮影・千葉茂)

 高松宮記念2着後は、放牧を挟んでじっくりと立ち上げてきた。先月に3週続けて栗東坂路で4F52秒台を計時するなど意欲的に負荷をかけ、馬体はシャープに。動きの質も洗練され、活気に満ちあふれている。

 北海道開催は4年連続の参戦。近2年は札幌のキーンランドC(23年1着→24年5着)を使ったが、3年前には当レース1着の実績がある。当時はレース史上5頭目となる3歳牝馬Vだった。「馬場は合っている。開幕週の千二で速い馬もそろって難しい部分もある。重量57キロは牡馬に換算すると59キロ。何とか地力で勝ってほしい」と意気込む。

 秋は悲願のG1制覇へ。当レースをステップに、スプリンターズS(9月28日、中山)を目指す。昨年はキーンランドCから中4週でスプリンターズSに臨むも3着。今年は間隔を空けることで、より万全の態勢で送り出すことが狙いだ。

 前哨戦とはいえ、負けられない一戦。勝利すれば牝馬としては史上初となる5年連続のJRA平地重賞制覇となる。「2歳から活躍していて、なかなか見ないパターン。心が折れないのがいいところ。秋に向けていい形で行ければ」。G1へ弾みをつける勝利をつかむ。