• トップページ
  • Topics & News
  • 【しらさぎS】キープカルム強襲で初代王者に輝く! 2冠牝馬チェルヴィニアを寄せ付けず

2025.06.23

スポニチアネックス

【しらさぎS】キープカルム強襲で初代王者に輝く! 2冠牝馬チェルヴィニアを寄せ付けず

 米子Sからレース名が変わり、G3格上げとなったサマーマイルシリーズ開幕戦「第1回しらさぎS」は22日、阪神競馬場で行われ、5番人気キープカルム(牡4=中竹)が初代王者に輝いた。4度目の挑戦で重賞初制覇。東京開催を締めくくる「第73回府中牝馬S」は5番人気セキトバイースト(牝4=四位)が初めての重賞タイトルをつかんだ。

<阪神・11R・しらさぎS>レースを制したキープカルム(左から2頭目)(撮影・中辻 颯太)

 炎天の仁川でクールに初代王者の座を射止めた。前半3F35秒1は重賞級ではスローな流れ。馬群は凝縮し、まさしく一団のまま直線へ。3列目の内に位置したキープカルムの前には2列の馬の壁。残り200メートルで1頭分のスペースを割って鋭く突き抜け、初タッグの坂井は「手応えが良かったのであとは進路を見つけるだけだった。少し狭いところを強引な感じになってしまったが、馬のおかげで勝つことができた」と汗をぬぐった。

 新馬戦でジャンタルマンタル、3歳時にもメイショウタバルの2着がある逸材。前2週で古馬G1を制した同期2頭に出世こそ先を越されたが、メンバー断トツ3F33秒4の末脚で2冠牝馬チェルヴィニアをも寄せ付けなかった内容はハイレベルな4歳世代の一角を担える素質を示すに十分だった。前走ダービー卿CTは直線で進路を失って3着惜敗。「前回はゲートをうまく出られなかったのでそこだけ気をつけた」と五分のスタートを決めて課題も克服した。

 半妹が今年のオークス馬カムニャックで、「父ロードカナロア×母父サクラバクシンオー」は英G1クイーンエリザベス2世ジュビリーSで2着に健闘したサトノレーヴと同配合。23年高松宮記念Vファストフォースも出した“大物配合”だ。前身の米子Sを勝った馬は4年連続でサマーマイルシリーズの王者に輝いており、前途は明るく開いている。

 厩舎の番頭格の柴田助手が「精神的にどっしりしてきた。体つきも強くなった」と成長を伝えれば、鞍上も「いつもお世話になっているノースヒルズさんの馬で、記念すべき第1回を勝つことができて凄くうれしい。操縦性もいいし、反応も良かった。今日は言うことないくらいだった。まだまだ上のステージで頑張ってくれる馬だと思う」と嘱望する。初代しらさぎS王者の名に恥じない、飛躍の下半期がきっと待っている。

 ◇キープカルム 父ロードカナロア 母ダンスアミーガ(母の父サクラバクシンオー)21年4月8日生まれ 牡4歳 栗東・中竹厩舎所属 馬主・前田晋二氏 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績15戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億4082万9000円 馬名の由来は冷静を保つ。