2025.07.03

スポニチアネックス

【大井・帝王賞】ミッキーファイト ビッグタイトル初戴冠!3角先頭から直線押し切る

 上半期のダート最強馬を決するJpn1「第48回帝王賞」が2日、大井競馬場で行われ、1番人気のJRA所属ミッキーファイトが3角先頭から押し切って快勝。Jpn1初制覇を飾った。JRA勢は11年から帝王賞15連勝。鞍上のクリストフ・ルメール(46)は18年ゴールドドリーム以来となる2勝目。管理する田中博康師(39)は初制覇となった。

積極的なレースから押し切ったルメール騎乗のミッキーファイト(撮影・河野 光希)

 夏の大井に新ダート王者が誕生した。引き揚げてきたミッキーファイトの馬上で、ルメールは左手を高々と突き上げた。「いい競馬を期待していた。能力を持っているし、G1レベルの力を見せてくれた。未来のダートのスーパースターホースを見せることができた」。鞍上は奮闘した愛馬に最大限の賛辞を贈った。

 スタートを決めると道中は2番手を追走。背後からはウィルソンテソーロ、ノットゥルノと有力馬が構えた。3角では逃げたヒーローコールをパスして先頭へ。外からウィルソンテソーロ、ノットゥルノが早めに進出。3頭が並んで迎えた直線、内ミッキーファイトがひと伸び踏ん張って2頭を振り切る。最後は中団から差を詰めたアウトレンジを首差で抑えた。殊勲の鞍上は「スタートからリラックスして、向正面でも冷静に走れていた。だんだんペースが上がったけど、馬の呼吸は完璧でスムーズに走れた。最後は踏ん張らないといけなかったが、能力で勝った」と汗を拭った。

 今週から3週間の夏休みに入る鞍上が、休暇前最後の騎乗で好エスコート。「冷静に飛行機に乗れるね。ポテンシャルをとても感じていたので(騎乗機会を)逃したくなかった」。継続騎乗となった素質馬の勝利を心から喜んだ。

 今後について田中博師は「大きい舞台を勝てたのでいろんなプランが出てくると思う。海外も選択肢ですがまだ成長途上。いずれにしても大きいレースを目指していく」と語った。ダートG1級6勝レモンポップを育て上げた名門から誕生した“砂の帝王”。「レモンポップが引退したタイミングでこういう子が出てきたので、もちろん活躍していってほしい。偉大な先輩ですし、追いつけ追い越せと思ってじっくりやっていきたい」と指揮官も力を込める。同期の“世界最強馬”フォーエバーヤングにも負けられない。ミッキーファイトが大井から世界の高みへと歩を進めていく。 (後藤 光志)

 ミッキーファイト 父ドレフォン 母スペシャルグルーヴ(母の父スペシャルウィーク) 21年5月5日生まれ 牡4歳 美浦・田中博康厩舎 馬主・野田みづき氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績9戦6勝(南関東2戦1勝、重賞4勝目) 総獲得賞金2億6538万7000円 馬名の由来は冠名+頑張れ。