2025.07.10
スポニチアネックス
【七夕賞】6歳馬ドゥラドーレス 念願の初タイトルへ! ラスト1F11秒9「前2走より明らかにいい」
みちのくの名物ハンデ重賞「第61回七夕賞」(サマー2000シリーズ第2戦)の最終追い切りが9日、東西トレセンで行われた。美浦坂路では良血ドゥラドーレスが成長を感じる加速ラップを刻んだ。屈腱炎で出世が遅れた6歳馬が念願の初タイトルへ好仕上がりをアピール。美浦Wコースでは上がり馬コスモフリーゲンがラスト1F11秒3としなやかな伸び。夏は格より出来。オープン昇級即、重賞初Vへ気配は上々だ。

素質開花を予感させる万全リハだった。佐藤良助手は「スッと動けない馬が楽に動けていた。感じはいい」とドゥラドーレスの走りに目を細めた。大ケガを乗り越えた6歳馬。真価発揮へ、準備は整った。
最終追いは坂路併せ馬。序盤から今までにないほどの推進力を見せた。鞍上が手綱を放せばどこまでも伸びていきそう。抜群の手応えのまま、僚馬アンダーザライト(3歳未勝利)と楽に併入した。無理をせずに15秒0→13秒7→12秒9→11秒9の加速ラップ(4F53秒5)は立派だ。この日、美浦坂路でラスト1F11秒台を計時したのは4頭のみで最速タイ。高いポテンシャルを証明した。
戸崎が騎乗したWコースの1週前追いも秀逸だった。雨でぬかるんだ馬場をものともせず、5F65秒8の好時計。ラスト1Fは11秒3と鋭い伸び。名手も「いい動き。道中からリズムが良くてハミの感じも良かった。まとまりが出て、無駄がない走りでした」と絶賛した。早くから入厩して乗り込み量も十分。調整過程も文句なし。仕上がりは過去最高と言ってもいい。
22年毎日杯3着、菊花賞4着と3歳時から重賞戦線で活躍。将来を嘱望されたスター候補だったが、右前屈腱炎の発症で1年以上の長期休養を余儀なくされた。戦列復帰後は脚元の不安を抱えながら2月の小倉日経賞で復活V、続く前走エプソムCは鋭く伸びてレコード決着の2着とハイパフォーマンス。キャリア10走とフレッシュ、上積みも十分に見込める。「2走前は半信半疑だったし前走は体がまだタプタプしている感じだった。前2走より明らかにいい」と佐藤良助手のトーンは高い。
半妹は昨年有馬記念を制したレガレイラ。「この馬もG1を目指せるようになってほしい」と宮田師の愛馬に対する期待は大きい。能力を信じ懸命に育成に努めた陣営と、それに応えたドゥラドーレス。重賞初制覇の“願い”を込めて疾走する。
≪“七夕賞男”戸崎≫鞍上の戸崎は七夕賞4勝の実績を誇る。勝てば同じく4勝の岡部幸雄元騎手を超えて単独トップに。8日には自身45回目となる誕生日を迎えた。バースデーウイークは過去5年とも福島で騎乗。21年は5勝、22年が4勝、23年は4勝と固め勝ちが目立つ。ドゥラドーレスとは22年3月毎日杯(3着)以来のコンビ。重賞初Vのメモリアルを紡ぐことができるか。