2025.07.11
スポニチアネックス
【七夕賞】M・デムーロ リフレーミング復活導く!「お利口で真面目」
今夏は米国を拠点に騎乗するミルコ・デムーロ(46)は渡米前の国内ラスト騎乗。七夕賞はリフレーミングで“餞別(せんべつ)代わり”の重賞Vを目指す。

大きな決断をした。大の親日家として知られるミルコ・デムーロは七夕賞のリフレーミングを含め、13日に福島で騎乗を終えた翌日に渡米。18日から夏開催が始まるデルマー競馬場など西海岸を拠点に約3カ月の武者修行に励む。「(米国遠征は)前から考えていた。2、3週間前に友達に電話で行きたいと言ったらエージェントから連絡があったので、すぐに行きますと返事をした。勉強と気分や空気を変えるためです」と目を輝かせた。
故郷のイタリアで97~00年まで4年連続で騎手リーディングに輝いた。初来日はJRA短期免許を取得した99年。それ以降は毎年、来日し、03年はネオユニヴァースで皐月賞、ダービーを制覇。他にも10年有馬記念をヴィクトワールピサで制すなど輝かしい実績を残した。15年にJRA通年免許を取得後は4年連続で年間100勝を達成。順風満帆の騎手人生だったが19年以降は91勝→65勝→75勝→72勝→44勝→42勝と勝ち星が伸び悩み、今年はわずか12勝にとどまっている。「最近は騎乗依頼が少ないから。自分はもっと動きたい、もっと乗りたいという気持ちが強い。それが(遠征の)一つの理由」と闘志は消えていない。
カリフォルニア州サンディエゴから北に約30キロ。リゾート地としても、にぎわう夏のデルマーは日本と違い、週4日のレース開催。必然的に騎乗機会が増える。「日本に来るため、イタリアでG1やリーディングを獲ろうと頑張っていた17歳の時に米国で勉強していたことがある。最後に騎乗したのは二十数年前かな。週4回の競馬で毎日のように調教も乗るから忙しいけど、それを求めて行く。勉強します」と、あえて厳しい環境に身を置く。
渡米前、最後の重賞は七夕賞。新コンビで挑むリフレーミングは長期休養明けだった前走の中山記念がスタート後に不利を受け、不完全燃焼の15着。3戦2勝の福島芝2000メートルで反撃に燃える。コンタクトを取った1週前の坂路追いは4F52秒1~1F12秒5を馬なりで刻み、先行した僚馬ウォーターリーダー(5歳1勝クラス)と併入した。「お利口で真面目。折り合い面は問題なかったし動きも良かった。フレッシュな感じで調子はいい」と爽やかな表情で語った。陽気なイタリアンが渾身(こんしん)の騎乗で相棒を復活へと導く。