2025.07.14
スポニチアネックス
【七夕賞】コスモフリーゲン逃げ切った! 柴田大は4年7カ月ぶり重賞V「これで終わる馬ではない」
夏の福島で願いをかなえた。サマー2000シリーズ第2戦「第61回七夕賞」が13日、福島競馬場で行われ、重賞初挑戦の2番人気コスモフリーゲンが逃げ切りV。3勝クラスに続く連勝で初タイトルを手に入れた。鞍上の柴田大知(48)は20年12月ターコイズS(スマイルカナ)以来、4年7カ月ぶり16回目の重賞制覇。同レースは13年マイネルラクリマ以来、12年ぶり2勝目となった。

大接戦の先に栄冠は待っていた。大歓声に包まれたゴール前は人気2頭による一騎打ち。内で粘るコスモフリーゲンに外から1番人気ドゥラドーレスが迫る。「頑張れ!しのいでくれ!」。フリーゲンの馬上で柴田大が願いを込めた左ステッキを振るう。ゲキに応えた相棒はもうひと伸び。外から迫ったライバルを頭差で振り切った。
1年8カ月ぶりの重賞騎乗で積極果敢な逃走劇。「声が出ましたね。これ以上ないだろうという仕上げだったので、これで負けたら仕方ないと。良い馬に乗るのも大変な時ですけど、乗せていただいた皆さんに感謝です。ずっと乗せていただいて結果を出せたのはうれしい」。顔を紅潮させた鞍上は4年7カ月ぶりの重賞制覇をかみしめた。
キャリア9戦で8度目のコンビ結成。道中はまさに人馬一体だった。前半1000メートル通過は59秒4。行きたがる馬を懸命に落ち着かせながら、中盤はしっかり息を入れた。「スタートが決まりましたし、気分よく行かせようと思い切った競馬をさせた。前半はなだめるのが大変だったが調教で教えてきた分、収まりも早かった」。馬群が凝縮した4角でペースアップ。持ち味のしぶとさを生かすレース運びで、最後まで脚色は衰えなかった。
付きっきりのコンタクトで絆を深めてきた。管理する畠山師は「火曜から金曜まで毎週、追い切り以外にも乗っていますからね。少しずつコンビネーションが取れてきている」と証言。人馬の歩みを近くから見つめてきただけに「暑い中、毎週一生懸命やってくれているのでありがたい。経験値のあるジョッキーですし、引き出しをいくつも持っていますから」と頼もしそうに話した。
骨折などにより過去には2度の長期休養。ただ、キャリアが浅い分、5歳の夏を迎えても成長の余地をまだ十分に残す。鞍上が「これで終わる馬ではない。またこれから力をつけてくれる」と期待を寄せれば、指揮官は今後について「疲労を見極めてですね。(サマーシリーズの)点数を取ったのでそちらの路線に行くのか、馬が元気ならそれも選択肢」と青写真を描く。願いをかなえた福島から、さらなる大舞台へと飛び立つ。
◆コスモフリーゲン 父スクリーンヒーロー 母フライングメリッサ(母の父ダンスインザダーク)20年3月31日生まれ 牡5歳 美浦・畠山厩舎所属 馬主・ビッグレッドファーム 生産者・北海道新冠町のビッグレッドファーム 戦績9戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億1318万5000円 馬名の由来は冠名+飛ぶ(ドイツ語)。