• トップページ
  • Topics & News
  • 【新潟記念】シランケド大外一気V! テン乗り坂井が決めた「G1勝ってくれると思います。知らんけど…」

2025.09.01

スポニチアネックス

【新潟記念】シランケド大外一気V! テン乗り坂井が決めた「G1勝ってくれると思います。知らんけど…」

 フィナーレを迎えた夏の新潟で鬼脚がさく裂した。サマー2000シリーズ最終戦「第61回新潟記念」が8月31日、新潟競馬場で行われ、2番人気シランケドが外から豪快に差し切って重賞2勝目。秋のG1戦線に向けて弾みをつけた。また、中京競馬場で行われた「第1回中京2歳S」は6番人気キャンディードが、圧倒的1番人気スターアニスとのマッチレースを2歳JRAレコードで制して初代王者に輝いた。

<新潟11R新潟記念>レースを制したシランケド(中央)(撮影・郡司 修)

 例年のハンデ戦から別定戦へ姿を変えた新潟記念。G1馬1頭を含む、重賞勝ち馬8頭が集結した激戦を制したのは充実ムード漂う牝馬シランケドだった。気温30度超えの中、並み居る強豪を相手に豪快な差し切りV。人馬は涼しい表情で検量室へと引き揚げてきた。初コンビの坂井は「調教に乗ってポテンシャルは感じていた。スムーズに力を出せれば、いい勝負ができると思っていた」と汗を拭った。

 道中は後方馬群の外めを追走。じっくり脚をため、直線は外ラチ沿いへ。残り400メートルで鞍上の右ステッキが入るとグングン加速。メンバー最速となる上がり3F32秒4の末脚で前にいる11頭をまとめてのみ込んだ。「瞬発力が一番の武器。爆発的な脚が使えると思っていた。進路もクリアでしたし、イメージ通り。ゴーサインを出した時に届くと思った」と振り返った。

 狙い澄ました一戦を仕留めた。「一戦、一戦の消耗が激しい馬。秋のG1戦線まで間隔が短いと状態が戻ってこないと思っていたので、この舞台を選択した」と牧浦師。昨秋は魚沼Sを制した後、エリザベス女王杯も視野に入ったが、馬の状態が上がり切らず出走を見送った。「状態が良くない中で競馬をしたらもっと反動がキツくなる。そこはオーナーさんにも我慢してもらいました」。陣営の選択は効果てきめん。4カ月半の休み明けで迎えた中山牝馬Sを制すと、前走ヴィクトリアマイルも3着と奮闘した。「年齢を重ねるごとに以前よりダメージが少なくなってきた」と体質強化にも自信をのぞかせる。

 今年は満を持して秋の大舞台へ――。指揮官は今後について明言を避けたものの「いろいろG1があるのでね。マイルもありますし、エリザベス女王杯の2200メートルでも距離は大丈夫」とキッパリ。坂井も勝利騎手インタビューで「本当に高いポテンシャルがあるからG1を勝ってくれると思います。応援してください。知らんけど」と言い切った。馬名とは裏腹に“実りの秋”を確信する勝利だった。

 ◆シランケド 父デクラレーションオブウォー 母フェアブルーム(母の父ディープインパクト)20年2月7日生まれ 牝5歳 栗東・牧浦厩舎所属 馬主・田畑利彦氏 生産者・北海道新ひだか町の下河辺トレーニングセンター 戦績12戦6勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億9477万9000円。馬名の由来は「知らんけど」「知らないが」(関西の方言)。