2025.09.11

スポニチアネックス

【セントライト記念】ミュージアムマイル貫禄!坂路併走も終始手応え抜群ラスト1F12秒1

 月曜中山の菊花賞TR「第79回セントライト記念」は皐月賞馬ミュージアムマイルが坂路併せ馬で貫禄十分の走り。秋のV発進へ向けて好仕上がりをアピールした。

坂路をブルーワール(右)と併せ馬で追い切るミュージアムマイル

 貫禄を示す最終デモだった。皐月賞馬ミュージアムマイルは坂路で併せ馬。ブルーワール(4歳1勝クラス)を前に見る形で終始、抜群の手応え。いっぱいに追われる僚馬にあっさり並びかけ、最後は半馬身先着した。時計は4F53秒9~1F12秒1。高柳大師は「しまいだけ伸ばすようにと。持ったままで動きが良かったし、いいフォームで走れていた。ここまで不安なく調整できた」と満足げだ。

 3カ月以上の充電を経て、見栄えする黒鹿毛の馬体はさらに迫力を増した。師は「帰厩時には10キロぐらい増えていて、春先に比べておなか周りがふっくらしてきた。成長してきていると思う。しっかり歩けるようにもなった」と変化を伝える。1週前追い(CWコース6F83秒4~1F11秒4)に駆けつけた新パートナー戸崎も「乗りやすくて、反応もしっかりあった。凄くいい」と絶賛。態勢は整っている。

 2冠ならなかったダービー(6着)は位置取りが全て。11番手からじわじわ伸びたが、先行した他の有力馬の背中は遠かった。指揮官は「出脚が悪かったし、あの位置からでは厳しかったのかな」と振り返る。距離延長は敗因にあらず、「モレイラもダミアン(レーン)も“成長すれば2400メートルでも大丈夫”だと言ってくれていた」。世界の名手たちのお墨付きがある。2200メートルの距離はもちろん、守備範囲だ。

 先に見据えるは、古馬の列強と相まみえる天皇賞・秋(11月2日、東京)。「中山で勝っているし、始動戦は同世代との方がいいと考えた。皐月賞馬として恥ずかしくない競馬をしてもらいたい」。グレード制導入以降では史上5頭目となる天皇賞3歳馬Vに向けて、落とせない一戦。歓喜に浸った思い出の中山から再起を図る。

 《皐月賞馬は5勝》皐月賞馬はセントライト記念に11頭が出走し【5・3・0・3】の成績で49年トサミドリ、79年ビンゴガルー、84年シンボリルドルフ、14年イスラボニータ、16年ディーマジェスティが制した。今年の皐月賞馬ミュージアムマイルもG1制覇を飾った中山で勝利を狙う。