• トップページ
  • Topics & News
  • 【追憶の東京新聞杯】99年キングヘイロー 気分一新の騎手交代が奏功 世界的良血が復活のノロシ

2026.02.04

スポニチアネックス

【追憶の東京新聞杯】99年キングヘイロー 気分一新の騎手交代が奏功 世界的良血が復活のノロシ

 父としてカワカミプリンセス(オークス、秋華賞)、ローレルゲレイロ(スプリンターズS、高松宮記念)を出し、母の父としてはイクイノックス(G1・6勝)を送り出したキングヘイロー。

99年東京新聞杯を制したキングヘイロー。鞍上は柴田善臣

 世界的良血らしく大種牡馬として生涯を終えたのだが、ベテラン競馬ファンであれば現役時のキングヘイローのイメージはこうだったはずだ。「血統はいいのに、ちょい足らんなあ。応援してるんだから、もう少し頑張ってくれよ…」(若干の妄想込み)

 当時2年目。フレッシュを絵に描いたような福永祐一騎手(現調教師)を背に3戦3勝(G3制覇含む)の順風満帆スタート。だが、この後から“ちょい足らん”日々が始まる。

 単勝1.4倍のラジオたんぱ杯3歳Sで2着に敗れたのがケチのつき始め。皐月賞は2着に敗れ、ダービーはハイペースで逃げて14着大敗。菊花賞は5着。結局、この年は有馬記念(6着)まで1戦を除いて(神戸新聞杯3着=岡部幸雄)福永騎手が手綱を取ったが、白星を手にできなかった。

 年が変わり、迎えた初戦は東京新聞杯。関東での開催ということもあり、陣営は気分一新、柴田善臣に騎乗を依頼した。

 新馬戦以来となるマイル。いろいろと手を打ってきたことをファンも敏感に感じ取り、1番人気(2.1倍)に支持した。

 その後押しに柴田善が応える。ケイワンバイキングが飛ばし、そこにマイネルマックス、アマロが絡んで3頭が後続を引き離すハイペース。柴田善とキングヘイローは5番手の外で、前3頭を見ながら追走した。

 直線を向き、ケイワンバイキングが突き放しにかかる。満を持して追い出した柴田善。キングヘイローがたまったパワーを開放した。1完歩ずつ差が詰まっていく。坂上で捉えた。そして突き放す。3馬身差の圧勝だった。

 柴田善のコメントは、さすがというものだった。「ケイワンバイキングがどのくらいの脚を使えるかは分かっていたので、これは捉えられると思っていた。抜け出す脚は本当に速かった」

 ケイワンバイキングには柴田善自身が乗り、白星を挙げたこともある。東京の舞台で関東の騎手である柴田善に依頼した意味は大きかった。

 そして柴田善はこう続けた。「返し馬の感触は素晴らしかった。ただ、いざレースになると緊張からなのか背中をキュッと丸めてしまった。途中からはうまくなだめられたけどね。折り合い面はポイントになるが、レースでうまく教え込み、難しい点を解消できれば大きなところも勝てると思う」

 その言葉が現実のものとなったのが翌00年の高松宮記念。完璧に折り合ったキングヘイローは柴田善にエスコートされ、アグネスワールド、ブラックホークを差し切り、スプリント路線の頂点に立った。

 種牡馬入り後は順調に優秀な産駒を出していったキングヘイロー。それも高松宮記念の優勝があればこそ。もっといえば、東京新聞杯で柴田善とコンビを組んだからこそ、の結果だった。最終的にイクイノックスにつながったという意味でも、この東京新聞杯制覇は日本競馬にとって大きな一戦だった。