2026.02.13
スポニチアネックス
前川師「矢作先生への恩返し」へ サウジCで“王者”撃破狙う
【競馬人生劇場・平松さとし】「またサウジアラビアに戻って来られて良かったです。それもサウジカップに使えるなんて…」
遠く離れた中東・サウジアラビアでそう語ったのは前川恭子調教師だ。
24年、調教師試験に合格し、JRA初の女性調教師となった。開業までの1年余りの技術調教師期間中は、矢作芳人厩舎で学んだ。「矢作先生の下で、ヨーロッパやアメリカなど、さまざまな国で研修させていただきました」。その中にはサウジアラビアも含まれていた。そこで、後にサウジCを制するフォーエバーヤングにも携わった。
「矢作先生や厩舎の皆さんがどういう姿勢で遠征に向き合い、実際に結果を出しているか、目の当たりにさせていただきました。こんなにも貴重な経験をさせていただき、感謝しかありません」
「いつかは自分も…」と願うと、厩舎開業から1年にも満たない今年、早くもチャンスが到来した。「音無(秀孝)厩舎から転厩してきたサンライズジパングで、サウジCに挑めることになりました」。レーティングは出走馬中3番目。勝機は十分にある。しかし、勝つためには越えなければならない大きくて分厚い頑丈な壁が立ちはだかる。連覇を狙うディフェンディングチャンピオンの存在だ。
現地でのサンライズジパングの追い切り後、前川調教師はそのままスタンドに残った。そして、フォーエバーヤングの追い切りにも目を凝らした。かつて携わった馬であり、今回越えるべき最大の壁でもある存在。その走りを、静かに、しかし真剣なまなざしで追い続けた。
「フォーエバーヤングが世界一強いことは重々承知しています。それでも、矢作先生への恩返しという意味でも、良い競馬をしなければと思っています」
フォーエバーヤングを破ったとき、真の恩返しが果たされるのかもしれない。師へ最高のバレンタインプレゼントを届けられるか…。14日深夜は中東に注目だ。(フリーライター)