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2026.04.03

スポニチアネックス

【大阪杯】上村典久厩務員 遅咲きデビットバローズで参戦 弟洋行師と挑む同一G1の3連覇

 春の中距離王決定戦「第70回大阪杯」は2日、出走馬が確定した。ベラジオオペラで連覇を達成し、今年3連覇が懸かる上村厩舎からは7歳セン馬デビットバローズが参戦。担当する上村典久厩務員(54)は上村洋行師(52)の兄にして、数々の活躍馬を手がけた腕利きだ。また、栗東滞在で調整を進める関東馬レーベンスティールはメンバー唯一の木曜追いで態勢を整えた。枠順はきょう3日に発表される。

上村典久厩務員に引かれて厩舎周りを運動するデビットバローズ(撮影・中辻 颯太)

 昨年引退した厩舎の大黒柱ベラジオオペラから大阪杯3連覇のバトンを引き継いだデビットバローズは、指揮を執る上村師の兄・典久厩務員が担当している。前走鳴尾記念で重賞初制覇を飾った遅咲き。典久厩務員は「今からどんどん強くなるのかなと思わせてくれる勝ち方だった」と期待を膨らませる。

 7歳にして伸びしろを強調するのには理由がある。馬っ気がひどく、5歳シーズンまでは潜在能力を発揮できず。「装鞍所やパドックをまともに回るなんてできなかった」。24年函館記念大敗後に去勢し、誘導馬に乗っかかることもあったという暴れん坊が大変身を遂げた。「走ることに全集中できるようになった」と競馬場やトレセンでの振る舞いが劇的に良化。精神面が安定した相乗効果か、「この年になって体高も伸びている」と身体も充実期を迎えている。

 上村厩舎といえば、管理馬を鍛え抜くハード調教がトレセン内でも一目置かれる。昨年は貸付馬房数20(今年度は22。トップ厩舎の多くが28)ながら全国リーディング7位に躍進した。

 単にスパルタかというと、そうではない。細やかな馬体チェックやカイバ食いの状況を逐一、調教メニューに反映。調教騎乗者と担当者の意思疎通が密で「自分は厩務員なので乗り手の意見を聞いて、“ここが硬い”と言われれば物理療法をしてみたり。皆もしっかり馬をケアしている。そうでなければ強い調教は積めないから」と同厩務員。直近3年連続で優秀厩舎賞を受賞。「これだけ馬が走ってくれるのは日々の積み重ね」と胸を張る。

 デビットバローズも中間攻め込まれ、久々の不安を微塵(みじん)も感じさせない仕上がりだ。「間隔が空いた方がいいタイプ。半年ぶりだった前走も“これで負けたら仕方がない”という出来だった。今回も具合は凄く良い」。担当馬が幾度となくG1に出走し、その厳しさを知るだけに「これだけの相手に大きなことは言えない」とあくまで慎重。それでも、「常識にかからない馬。どんな競馬をしてくれるか楽しみがある」と栗東屈指の腕利きは柔和な笑顔で一発を狙っている。

 ○…調教師による同一JRA・G13連覇は過去に、02~04年天皇賞・秋&有馬記念の藤沢和雄厩舎、11~13年スプリンターズSの安田隆行厩舎の3例。また、デビットバローズはベラジオオペラと同じロードカナロア産駒で、父にとっても大阪杯3連覇が懸かる一戦となる。さらに、フェブラリーS、高松宮記念をそれぞれ連覇したコスタノヴァとサトノレーヴも同産駒で、2年連続のJRA・G1開幕3連勝も懸かっている。

 ◇上村 典久(うえむら・のりひさ)1972年(昭47)2月2日生まれ、滋賀県栗東市出身の54歳。父も厩務員で、28歳でトレセン入り。坪憲章厩舎、藤原英昭厩舎、角居勝彦厩舎を経て21年3月から上村洋行厩舎に所属している。担当馬の重賞初勝利は03年ニュージーランドTのエイシンツルギザン。その後もエイジアンウインズ、シャケトラ、ヴァンキッシュラン、エアソミュール、エアウィンザー、ヤンキーバローズなどを手がけた。趣味はネットフリックスでのドラマ観賞。