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2026.08.21

スポニチアネックス

【新潟2歳S】秋本師&トウシンマジック 目指す重賞初挑戦V バイブルは藤沢和雄元調教師の著書

 3月に開業した秋本大介調教師(44)が新潟2歳Sにトウシンマジックを送り出し、重賞初挑戦Vを目指す。開業半年で早くも4勝を挙げた新進気鋭のトレーナー。そのホースマン人生を支えるのは青年時代に感銘を受けた一冊の名著だった。

トウシンマジックと重賞初挑戦の秋本師(撮影・村上 大輔)

 名著との出合いは時としてホースマン人生を左右する。秋本師にとってそんな一冊は藤沢和雄著「競走馬私論」(99年発行)。「僕のバイブルです。高校卒業後、この本を何度も読み返しているうちに藤沢先生が学びに行かれた英国ニューマーケットに憧れました。馬のしつけ、人馬の信頼関係の大切さもこの本から教わりました」

 名著に背中を押されるようにニューマーケットに渡り、プレスコット厩舎で1年間研修。人馬の信頼関係を築けるような調教を体験した。今は調教師として人馬のコンタクトに主眼を置いたトレーニングを実践する日々。坂路入りする前に角馬場、森林馬道でじっくり常歩(なみあし)やダクを続けるトウシンマジックには頼もしげな視線を注ぐ。「森林馬道にはリラックス効果があって、コントロールしやすくなります。トウシンマジックもだいぶ落ち着いてきました」

 新潟新馬戦は出遅れながら中団から最速の上がり(ラスト3F32秒8)で差し切った。「デビュー前から背中の感触が凄く良かったので走ると思っていましたが、あれほど切れるとは…。重賞でもチャンスがあると思っています」

 調教師免許を取得する25年まで助手として9年間師事した菊川師の紹介で、北海道・静内の名門・千代田牧場を訪れ、平地競走で頭打ちとなった関西馬ランフォースマイルの転厩を引き受ける。この馬を障害に転向させて厩舎のJRA初勝利を挙げた。トウシンマジックも千代田牧場の生産馬だ。

 青色を基調とした秋本厩舎のユニホーム。出身厩舎(菊川厩舎)の青のカラーと出身地の神奈川県茅ケ崎市の「湘南の海」をイメージした。「秋本は師匠に似ていて(笑い)、謙虚で真面目。開業早々、重賞でも期待される2歳馬を管理するのだから“持っている男”ですよ」とは師匠の菊川師。“持っている男”は「菊川厩舎では力不足の馬でも何とか勝たせようとする、諦めない姿勢を学びました。そして、調教の理念を教えてくれたのは藤沢先生の“競走馬私論”です」。名著はホースマン人生を左右する。