2026.09.09

スポニチアネックス

【ローズS】タイセイボーグ“復活の秋”へ! 骨折明け半年ぶりも「休ませて体が成長」

 今週末の重賞は秋の大舞台につながるステップレース。日曜阪神メインは秋華賞トライアル「第44回ローズS」(3着まで優先出走権)だ。春のクラシック戦線を骨折で棒に振ったタイセイボーグが楽しみな復帰戦を迎える。デビュー6戦で3着を外したことがない超安定株が、世代トップクラスの力を見せつける。

馬房でまったりするタイセイボーグ(撮影・入矢 美奈)

 春のクラシック戦線を彩る存在でもあったタイセイボーグがついに帰ってくる。昨年6月にデビューVを飾ると、その後の出走5戦(うち重賞が4戦)で全て3着以内を確保。当然、G1でも主役として期待されていた。しかし前走のチューリップ賞で重賞初制覇を飾った直後に左第1指骨の剥離骨折が判明。一瞬の歓喜だった。松下厩舎は厩舎服のカラーが淡いピンク。どう考えても桜花賞で疾走する姿は映えたはず。松下師も「出たかったですね…」と本音を漏らした。

 半年ぶり、さらには骨折明けというブランクをはね返す。山浦助手は「心配するほどの骨折ではなかったです。休ませて体が成長して帰ってきましたね」と安堵(あんど)の表情。骨折判明後は栗東近郊のノーザンファームしがらきで休養に努めた。3週間前に帰厩した際の印象を「背が伸びたな」と語る。放牧先でもしっかり乗り込まれ、502キロ(前走496キロ)とパンプアップした体からも休み明け感は全くなく、ひと回り大きくなった姿を見せている。さらに不安を一掃したのが2日の1週前追い。西村が騎乗したCWコースで6F76秒4~1F11秒7の猛時計をマーク。この日の1番時計だった。体の成長が稽古の動きに表れている。

 デビュー前から「バネみたいなものは他の馬とちょっと違う」と山浦助手は潜在能力を感じていた。新馬戦でインディチャンプ産駒として初勝利を飾ると「やっぱり能力がある馬だなと思いましたね」と予感が確信に変わった。新潟2歳S2着→アルテミスS3着と重賞戦線で上位争い。満を持して挑んだ阪神JFは外枠(17番)のロスがありながらも3着に粘り、世代トップクラスの力を示した。今年初戦のチューリップ賞では鮮やかな差し切り。「レースごとに力を出し切ることができるんですよね。一生懸命、真面目に走るのがいい方向に向いています。それが安定感につながっていますね」と目を細める。

 悔しさを糧に、世代の頂点を目指す。「おとなしくて扱いやすいです。能力がある分、アクションは大きいけど、他の馬が暴れても動じることはないです」と強みを語る。ピンクが似合う桜花賞を棒に振ったが、運命の糸に導かれるように復帰戦はまたピンクが合うローズS。春に途切れた夢の続きが、ここから始まる。

 ≪トライアル強い 松下厩舎初Vへ≫タイセイボーグを管理する松下武士師(45)は15年3月に厩舎を開業した。トライアルに縁があり、桜花賞切符を懸けたフィリーズレビューは17年カラクレナイ、25年ショウナンザナドゥで2勝。チューリップ賞は過去3頭を起用し、20年レシステンシア、25年ビップデイジーがともに3着に入り、今年はタイセイボーグが勝ち切った。ローズSは過去3頭起用で勝ち星こそないが24年にチェレスタが7番人気2着。タイセイボーグが“先輩超え”の秋V発進を期す。