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2026.09.21

スポニチアネックス

【オールカマー】伏兵7歳メイショウゲキリン 苦節33戦目で重賞初V 障害挑戦での肉体強化が奏功

 雨の中山で進化した7歳馬が躍動した。伝統の中距離G2「第72回オールカマー」が20日、中山競馬場で行われ、9番人気の伏兵メイショウゲキリンが逃げ切って重賞初制覇。天皇賞・秋(11月1日、東京)の優先出走権を手にした。前走で障害戦に出走した馬による平地重賞制覇は、98年日経賞のテンジンショウグン以来28年ぶり。来年、定年を迎える笹田和秀師(69)は19年フィリーズレビュー(ノーワン)以来となる10回目の重賞制覇となった。

<中山11R・オールカマー>外から猛追する(1)キャントウェイト(右)を抑え、オールカマーを制した(8)メイショウゲキリン(撮影・村上 大輔)

 前日から降り続いた雨。14年ぶりの重馬場開催となった今年のオールカマーは類を見ない消耗戦となった。勝ちタイムは芝2200メートル戦となった84年以降で最も遅い2分16秒9。切れ味がそがれるタフな馬場を生かし、伏兵メイショウゲキリンが逃げ切りVを飾った。

 「もまれると弱い馬なので、内でもまれないようにしたら大丈夫と(ジョッキーに)言っていた」。笹田師の指示通り、田辺は他馬の出をうかがいながら逃げの手を打った。マイペースを刻み、前半1000メートルを62秒4で通過。4角でエセルフリーダに競り掛けられても手応えは楽だった。ゴール前はキャントウェイトとの競り合い。「もう少し頑張ってくれという気持ちだった」。鞍上の必死の右ステッキに応え、脚色は劣勢でも鼻差しのぎ切った。

 7歳馬が苦節33戦目で手にした待望の重賞初タイトル。その裏には障害挑戦で得た肉体強化があった。2戦して勝ち星は挙げられなかったが、指揮官は「障害をやり出して、背腰がしっかりしてきた。重馬場がかえって味方してくれたと思う」と語る。強靱(きょうじん)な馬体を手に入れ、荒れた馬場を見事に攻略。鞍上は「スピード勝負にならない方が向きそうだなと陣営と話をしていた。恵みの雨になったと思う」と笑顔を見せた。

 来春、定年を迎える笹田師はこれが7年半ぶり10回目の重賞制覇。9番人気の伏兵と挙げた勝利に「うまく行くときはこんなもんですよ」と笑った。天皇賞・秋の優先出走権を手にしたが、「高望みしないで、オーナーと相談しながら勝てそうなところに行きます」と師。確かな成長を示したメイショウゲキリンが、魅惑の逃げで秋競馬を盛り上げる。 

 メイショウゲキリン 父キズナ 母メイショウスズラン(母の父キングカメハメハ)19年3月27日生まれ 牡7歳 栗東・笹田厩舎所属 馬主・松本好隆氏 生産者・北海道浦河町の三嶋牧場 戦績33戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億7862万2000円 馬名の由来は冠名+逆鱗(げきりん)、ひどく怒ること。