2026.10.20
スポニチアネックス
【菊花賞】松山弘平「ここを逃したら一生、チャンスはないかも」 史上初牡牝ダブル3冠に挑戦
【3冠の頂へ~ロブチェン~(1)】春の皐月賞&ダービーを制したロブチェンは20年コントレイル以来、史上9頭目のクラシック3冠制覇が懸かる。馬名の由来は南欧モンテネグロの名山。連載企画「3冠の頂へ」で陣営の思いに迫る。第1回はデビューからコンビを組む松山弘平(36)。20年に牝馬3冠を達成した鞍上は牡馬でも偉業にチャレンジする。12度目の菊花賞騎乗で最高の景色を目指す。
前人未到の偉業へ静かに闘志を燃やす。松山がロブチェンとのコンビで史上9頭目のクラシック3冠制覇に挑む。「プレッシャーはありますが年齢を重ねたこともあって、デアリングタクトの時とは違いますね。あの経験を乗り越えられたことは、僕の騎手人生の中で大きかったと思います」。20年、牝馬3冠が懸かった秋華賞は単勝1・4倍の断然人気に応えてV。再び、ファンの期待に応える準備はできている。
昨年11月のデビューから6戦連続で手綱を取り、絆を深めてきた。3冠初戦の皐月賞は1分56秒5のレコードタイムで逃げ切り。ダービーは17番の外枠を乗り越えて、中団から差し切った。「馬場状態や時計、コースを問わず対応できる。自在性があって、単純に能力が高い馬だと思います」とパートナーを評価。秋初戦の神戸新聞杯も推定15センチ差の接戦をモノにして、勝利をつかみ取った。
クラシック3冠達成なら20年コントレイル以来。松山が印象に残っている3冠馬には、ロブチェンの祖父であるディープインパクト(05年に達成)を挙げる。「菊花賞をどこで見ていたのかは記憶にないけど、最後の有馬記念は競馬学校に入学しており、現地で見ていました。強さが印象に残っています」と振り返る。
鞍上にとっては12人目のクラシック完全制覇、さらに史上初となる牡馬、牝馬でのダブル3冠制覇が懸かる。「ここを逃したら一生、チャンスはないかもしれない。史上初といわれるだけに簡単なチャレンジではないけど、獲れるものなら獲りたい」と力を込めた。
コロナ下だった20年は限定的な観客890人の前で3本の指を掲げた。あの日から6年の月日を経て、再び杉山晴師とのタッグで挑む大一番。今度は大観衆が淀のスタンドを埋め尽くすだろう。「(レースまでに)やるべきことをやって悔いのない騎乗をしたい。3冠を獲るために準備をしてきたし、それで負けたら仕方がないけど自信はある」。たくましくなったダービージョッキーは、3冠の頂をしっかり見据えている。
◇松山 弘平(まつやま・こうへい)1990年(平2)3月1日生まれ、神戸市出身の36歳。小学生の頃から阪神競馬場の乗馬センターで乗馬を学ぶ。JRA競馬学校騎手課程25期生で同期に小野寺、国分恭、国分優、丸山。09年3月1日に栗東・池添兼雄厩舎所属でデビュー、11年2月21日からフリーになる。17年皐月賞(アルアイン)でG1初制覇を飾り、平成生まれ初のJRA・G1ジョッキーとなった。JRA通算1万4354戦1483勝、うち重賞はG111勝を含む64勝(19日現在)。