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2025.06.12

スポニチアネックス

【大井11R・東京ダービー】ナチュラルライズ“圧逃V”で2冠達成 横山武「本当に馬が強いのひと言」

 創設2年目、3歳ダート3冠第2戦のJpn1「第71回東京ダービー」が11日、大井競馬場で行われた。圧倒的な1番人気に支持されたナチュラルライズが羽田盃に続く勝利で新ダート3冠が整備されてから史上初の2冠を達成。1着賞金1億円を獲得した。同馬は3冠最終戦のジャパンダートクラシック(10月8日、大井)に直行する見込み。

<大井11R・東京ダービー>レースを制した横山武騎乗のナチュラルライズ(撮影・河野 光希)

 あれで持つのか。ナチュラルライズに2冠目も許したライバルの関係者たちが検量室前で首をひねる。圧倒的な馬力の違いを見せつける逃げ切り勝ち。主戦の横山武は改めて相棒の力に感服した。

 「本当に馬が強いのひと言。言うことないです。うまく乗れたかは分からないですが、馬がよく頑張ってくれました」

 スタート直後からスイッチが入った。頭を上げながら先頭に立ち、後続たちとの差を広げていく。単勝オッズは1・5倍。大井のファンから不安の色が交じったどよめきが起こる。鞍上は馬の気持ちを害さず、それでいてガス欠を起こさせないバランスを探った。何とか息を入れながら迎えた直線。今度はラチに接触しそうなほど、内に刺さっていく。ここまでのロスはあまりに大きい。しかし、脚色だけは最後まで鈍らない。うまく立ち回ったクレーキングが迫るも、なかなか差が縮まらない。2馬身半のリードのまま、力ずくで先頭を守り抜いた。

 伊藤圭師は「パシュファイヤーの効果があって返し馬までは凄く落ち着いていた。だけど、大井2000メートルは1角までの距離が長いので、馬も走りたくて仕方がないという感じになってしまった」と説明。粗削りな勝ちっぷりだけに、際立つポテンシャルの高さ。師は「パドックの歩きだけでも、可動域が広くて能力の高さが分かる。(今日の形だと)普通は伸びないですからね」と称賛の言葉を惜しまなかった。

 夏は故郷・北海道のグランド牧場で休養。秋は今回と同舞台の3冠目ジャパンダートクラシックを目指す。師は「4カ月ぶりを勝った(昨年カトレアS)こともあるし、前哨戦は使わない方がいいと思う」と説明した。史上初めて誕生したダート2冠馬は、まだ伸びしろしかない。

 ◆ナチュラルライズ 父キズナ 母レディマドンナ(母の父ディストーティドヒューマー) 牡3歳 美浦・伊藤圭三厩舎 馬主・吉岡寛行氏 生産者・北海道新ひだか町のグランド牧場 戦績6戦5勝(南関東4戦3勝) 総獲得賞金2億774万3000円。