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2026.03.02

スポニチアネックス

根本師 有終V「感慨深い」 最後の愛弟子・長浜 師匠がダービーV時に着用のブーツで騎乗

 ホースマン人生の花道を勝利で飾った。1日は定年引退を迎える7人の調教師にとって最後のJRA開催日。中山5Rではサザンテイオー(牡3)を送り出した根本康広師(70)が有終V。最後の愛弟子・長浜鴻緒(20)がこん身のイン差しで恩師に勝利を届けた。また、同4Rでは国枝栄師(70)がチャーリー(牡3)で最後の白星をつかんだ。

花束を手に笑顔の根本師(左、中央は長浜、右は藤田菜七子さん)

 中山5R後、勝利を挙げたサザンテイオーの背には根本師の姿があった。騎手時代の87年にダービーを制したメリーナイスと同じ「桃、黒鋸歯(きょし)形」の勝負服を身にまとい、口取り写真に納まった。「最後に勝てて良かった。メリーナイスと同じ勝負服で、なおかつ弟子で勝てたからね」と目を細めた。

 花道のお膳立てをしたのは愛弟子・長浜だった。最後の直線、先に抜け出したアイアンパイクの内から鋭く強襲。ゴール前で頭差かわすと、鞍上はこみ上げる涙を我慢できなかった。「そりゃ泣きますよ。めちゃくちゃうれしい。最高でした」。この日、着用したブーツは師匠がダービーを制した際に履いていたもの。師が「弟子に履いてもらおうと思っていて、(長浜)鴻緒はサイズが合ったのでね。持ってきたかいがあった」と笑えば、弟子も「今日、先生から受け継ぎました。しっくりきてますよ」と“師弟V”をかみしめた。

 長浜は24年3月2日にデビュー。自厩舎のオオゾラヒバリにまたがって騎手人生をスタートした。「良いことも悪いこともたくさん思い出がある。ただ、この厩舎に入れて良かった。実習生の時にあいさつをしたのですが、厩舎の雰囲気が明るくて自由で、良いところだと分かりました」。酸いも甘いもかみ分けた2年間。恩師へ「さまざまな貴重な経験をさせてもらいました。育ててもらったことに感謝したいです」と言葉を紡いだ。

 12R終了後には、検量室前で記念撮影。弟子の丸山元気、野中悠太郎、長浜らが勢ぞろいし、現役時代に厩舎に所属していた藤田菜七子さんも駆けつけた。「良い弟子も育って本当に楽しくて幸せな騎手、調教師の人生だった。感慨深いですね。調教師を辞めても弟子が現役で走るのを見られる。トレセンとか競馬場も行くと思うので、そんなに寂しくはないですよ」と根本師。馬も人も育てたホースマン人生を象徴するような、温かさに包まれたラストシーン。多くのレガシーを残した名伯楽が笑顔でターフに別れを告げた。