2026.04.09

スポニチアネックス

【桜花賞】母も育てた吉村師 姉の思いも背負ってアイニードユー桜舞台へ

 日々トレセンや競馬場など現場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」は栗東取材班の田村達人(33)が担当。桜花賞に出走するアイニードユーは前走フィリーズレビューで3着に入り、優先出走権を手にした。昨年フィリーズレビューで4着に敗れ、惜しくも出走に届かなかった姉インブロリオの思いも背負ってG1舞台へ。管理する吉村圭司師(53)を取材した。

アイニードユーで桜花賞に挑む吉村師(撮影・中辻 颯太)

 厩舎ゆかりの血統。桜花賞に出走するアイニードユーは前哨戦のフィリーズレビューで逃げ粘り3着。自身の誕生日である3月7日にG1切符をつかんだ。吉村師は「牝馬3冠となると、権利を獲ること自体が簡単ではない。本当にひと握り。よく粘って権利を獲ってくれた」と振り返る。

 同じ厩舎に所属している半姉インブロリオも昨年の桜花賞に出走の可能性があった。妹と同じ1勝馬の身で挑んだフィリーズレビュー。中団から馬群を割って見せ場をつくったが、惜しくも4着で権利獲りはかなわなかった。同じく管理した母プリディカメントの初子で、「この血統をよく知っているからこそ、桜花賞に出られる、うれしさがあります。やっぱり牝馬3冠の中でも、桜花賞は桜が華やかで盛り上がるので」と晴れやかな笑み。あれから1年。姉の思いも背負って、大舞台に立つ。

 ファインニードル産駒は2月まで吉村厩舎に所属していた昨年シルクロードSの勝ち馬エイシンフェンサーをはじめ、スプリント色の強い血統だが、アイニードユーはマイルの前々走エルフィンSで3着。距離の壁は克服している。「姉は(性格が)燃えるような感じで距離の限界があったが、妹はおっとりして距離の融通が利く」と比較した上で、「カイ食いの良さは姉や母譲り。(3歳牝馬で)食が細くなりやすい今の時期に、その傾向が見られないのは大きい。使いながら成長しているのが伝わります」と期待を込める。

 レース当日は母プリディカメントの誕生日。指揮官は「ずっと血はつながっていきますからね。状態の良さは間違いない。いい結果を出せれば、うれしいです」と意気込んだ。血統は夢とロマンが詰まっている。

 ◇田村 達人(たむら・たつと)1992年(平4)11月12日生まれ、大阪市城東区出身の33歳。高校卒業後は北海道新ひだか町のケイアイファームで育成&生産に携わった。